Mr.Children 『東京』/『SUPERMARKETFANTASY』

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Mr.Children

まず最初にMr.Childrenの数々ある素晴らしい作品の中で取り上げたい曲は私が個人的Mr.Childrenのファンになったきっかけの曲を取り上げるべきだ!!

と思い、その曲を分析、味わい尽くしたいと考えています。

その曲とは『東京』です。

数多あるミリオンセラーに、数え切れないほどのタイアップと、この日本で生きてきたのなら、恐らくMr.Childrenの曲を全く聞いたことがないという人はほとんどいないはず。

それなのに、何故『東京』なんだという疑問が湧いてくるかもしれません。(そもそも、割とちゃんとMr.Childrenを聞いている人でないと、この曲はご存じないと思います…)

この『東京』は私にとって、夢や理想との向き合い方を教えてくれた曲なのです。

それでは少し、詞を見て行きましょう。

東京を象徴しているロボットみたいなビルの街

目一杯 精一杯の

働く人で今日もごった返してる

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKET FANTASY』より「東京」

ここら辺は東京のイメージですよね。ただ、都会って多分どこか人間味にかけて、冷たいイメージがあるかもしれませんね。

僕は大阪に住んでいるので、また東京とは違った形の都会だと思いますが、マクロで見ると、やはり上記のイメージなのかもしれません。

ただ、ミクロで見ると、人それぞれ「目一杯 精一杯」に生きている。

そこはやはりどこに行っても変わらないのだと思います。

信号待ち。

足を止めて誰かが口笛を吹いている

とぎれとぎれの旋律だけど

なぜかしら 

少しだけ癒されてる

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKET FANTASY』より「東京」

桜井さんは信号待ちの描写が非常に上手いですよね。

日常の中の一コマを美しく切り取ってくれます。

(大阪だと特に)東京をはじめとした都会の人って一分一秒が惜しくて、信号待ちすら疎ましく思ってそうですよね。

私も見事なスタートダッシュ決めちゃうタイプですもん。

でも、桜井さんの影響か、信号待ちをしている人を観察するのも好きなんですよね。

誰かわかってくれないかな…

大都会東京において、嫌われがちな信号待ちを待っている人がゆとりを持って口笛なんか吹いちゃっている。

ここも非常に人間味を表した部分だと思います。

描いた夢 それを追い続けたって 所詮

たどり着けるのはひとにぎりの人だけだと知ってる

「それならば何のために頑張ってる?」

とか言いながら分かってる

この街に大切な人がいる

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

『SUPERMARKET FANTASY』より「東京」

ここがサビですよね。

中学生だった私にとってはなかなか衝撃でしたよ!!

このくらいの年齢になったら、薄々気づくじゃないですか、「自分には特別な才能ない」「努力しても報われないかもしれない」って。

それをズバンと言われた気がしましたね。

首都東京なんかは夢を抱いて上京してきた人がわんさかいるわけですよね。

たどり着けないことはある種「敗北」であるかもしれないけれど、この「東京」における道程の中では「勝ち負け」だけじゃなく、他にも与えてくれる。

その一つが「大切な人」なんだと。

東京は後戻りしない 老いてく者を置き去りにして

目一杯 手一杯の

目新しいモノを抱え込んでく

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

『SUPERMARKET FANTASY』より「東京」

イノベーションが常に起こっていく街、東京。

わずか十数年でスマートフォンが私たちの日常を一変させました。

どんどんあったものが形を変えていく。

新しい者を抱え込んでいく街では新しい物についていくことができない(=老い)、そういう状態になってしまったら、置いていかれるわけです。

東京という冷淡さを表していると思います。

それにしても、「老いてく」と「置き去り」。

置いて(い)く者をなんてのは考えすぎですかね…

思い出がいっぱい詰まった景色だって また

破壊されるから 出来るだけ執着しないようにしてる

それでも匂いと共に記憶してる

遺伝子に刻み込まれてく

この胸に大切な場所がある

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

『SUPERMARKET FANTASY』より「東京」

東京都いう都市は都市内の新陳代謝も速いわけです。

「あそこにあった大好きだったお店なくなっちゃったなぁ」なんてことありますよね。

ただ、ありふれた言葉だけど、私たちの中で生き続ける。

ミクロスケールでは残り続けるんだと思います。

バイパスに架かる歩道橋からよく見える

ベランダに咲いた彩とりどりの花

甘い匂いがこの胸にあふれ出す

あの人に手紙でも書こうかなぁ?

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

『SUPERMARKET FANTASY』より「東京」

五感で感じることが好きだと公言する桜井さん。

匂いについて言及が多く、曲の世界観に立体感が出ますよね。

何かが鍵刺激になって、何かを思い出すこと、ありますよね。

東京という街においても暖かな気持ちにしてくれる場所はあるということです。

描いた夢、理想を追い続けたって 多分
ものにできるのはひとにぎりの人だけど
あと少し頑張ってみようかな
それでもいつか可能性が消える日が来ても
大切な人はいる

思い出がいっぱい詰まった景色だって また
破壊されるから 出来るだけ執着しないようにしてる
それでも匂いと共に記憶してる 遺伝子に刻み込まれてく
この街に大切な場所がある

この街に大切な人がいる

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

『SUPERMARKET FANTASY』より「東京」

どんなに無謀だと分かっていたとしても、もしかしたら叶うかもしれない。

多分、叶わないだろう。けれども、やって後悔よりやらずに後悔の方が大きいはず。

可能性はいつか消えてしまっても、大切な人は変わらずいてくれる。

それだけ頑張っていけるわけですよ。

思い出が詰まった景色にしても、匂いという「形」を伴って記憶されてるし、遺伝子レベルで僕らの中に溶け込まれている(そんなこと科学的に…というのは野暮というやつですよ、きっと)

そういった景色は確かにマクロスケールで東京という空間に実態としては無くなってしまっても、東京を形成するミクロスケールである私たちの中では残り続ける。

そういうことなのかなと思います。

以上がMr.Children、『東京』でした。

Mr.Childrenのメンバーは東京で成長し(田原さんと中川さんは出身ではない)、思春期を過ごしたからこそ、書ける『東京』なんだと思います。

福山雅治さんのような夢を抱いて上京した『東京にもあったんだ』のような歌とは視点違うわけです。

どちらが良いとかではないと思いますが、Mr.Childrenの皆さんにとっては東京は「故郷」でもあるわけです(多分)。

「東京」を冠していてもその微妙なニュアンスの違いがあるのかなと思います。

僕はまず、「大切な人」を作ることから始めたいと思います(そこから…)。

この『東京』は『SUPERMARKET FANTASY』に収録されています。

ライブでも映像作品として残っているものでは恐らく二回しか演奏されていないと思います。

20周年ツアーであるPOPSAURUS のボーナストラックである東京は圧巻ですよ!!

MC付きで桜井さんのソロヴァージョンですから。

また、終末のコンフィデンスソングスの方はコーラスにナオトインティライミさんが参加しており、ブレイク前の姿が見れる貴重な映像媒体だと思います。

まぁわざわざ新品買わなくても、メルカリやらで安く出てますから、下のものは参考までに。

【参考】

この投稿のキャッチアップは 「エンジンオフィシャルストア SUPERMARKET FANTASY」(http://store.enjing.jp/sp/syousai.asp?item=TFCC-86292)から引用いたしました。

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日常の中に彩りを

コメント

  1. […] 思って高いレベルにある周りの環境に半ば絶望していたのですが、この『羊、吠える』と『東京』を聞いて、「才能がなくても、頑張ってみよう」「成功しないかも知れないけど、努力 […]

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