またまたアルバム曲をピックアップって…
普通に考えれば、シングル曲から選ぶべきなのかも知れないんですけど、何となく選んだらこんな感じになっちゃってます汗
まぁタイアップは付いてたりする曲もあったんで、何とかね…
さぁ、この曲は本当に美しい情景が広がる曲です。
かつてラジオ「一番好きな歌詞」と公言してらしたことで有名かな?とは思います。
個人的には伝説のアーティストのあの超名曲のイメージと少しリンクしている気がするんです。(わかる人いらっしゃるかな?)
色々と言及したい部分もありますが、まぁわかっていただけますよね?
いづれそういった部分は後々更新していきたいと思います。
早速、歌詞に入っていきましょう。
いびつなうねりを上げながら オートバイが走る
寝ぼけた君を乗せて ほんの少しだけ急いで
月明かりが誘う場所へ
作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲 Kazutoshi Sakurai
『Q』より『ロードムービー』
ただオートバイが走っているという視覚的描写だけでなく、「いびつなうねり」を最初に持ってくることで、聴覚はもちろん、その音から来る振動という触覚までのイメージを喚起するという素晴らしい表現です。
急がなければいけない現状はありつつも、寝ぼけている彼女へのささやかな気遣いを感じます。
「月明かりが誘う場所」とはどこでしょうか?
一見、ロマンチックな直接な表現であることは間違い無いです。
メタファーであると考えれば、陰鬱な現状をが報われ、オートバイの光で自ら照らすでもなく、際限なく続くような断続的な街灯でもなく、闇夜の中で、華やかで力強い光が照らす場所。
誰からしても、認められるような栄光の場所。
そういうことなのかもしれません。
嘆きもぼやきもため息も 風に飛んでいくよ
そして幸福なあの歌を 高らかに歌いながら
500Rのゆるいカーブへ
作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲 Kazutoshi Sakurai
『Q』より『ロードムービー』
オートバイの疾走感は色々なものを置いていきます。2人を包むオートバイという世界観は暖かで、悲しげなものなども過去のものにしてくれるものですよね。
そして、(幸福を思いながら)幸福な歌を明るく歌う。
そして、緩やかなカーブへと向かっていく(500Rとは半径500mのカーブみたいです)。
このカーブは2人の人生の変革点なのかもしれませんね。そして、それは非常に緩やかに変わっていく…
今も僕らに付きまとう幾つかの問題
時の流れに少し身を委ねてみよう
この路の上の何処かにあるはずのゴールライン
そんなビジョンを道連れにして
作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲 Kazutoshi Sakurai
『Q』より『ロードムービー』
オートバイに乗っていて、色んな悲しみも風に乗って飛んでいくはずなのに、2人にはまだまだ付いて離れない「問題」を抱えている。
その「問題」にはなかなか2人では如何ともし難い。それは時の流れに任せるしかないことは多々ありますよね。
ただ、この「問題」ばかりを引き連れているのではなく、自らの想像上の「ゴール」というビジョンも引き連れている。
カーラジオも無くそしてバックもしない オートバイが走る
ただ君の温もりを その優しい体温を
この背中に抱きしめながら
作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲 Kazutoshi Sakurai
『Q』より『ロードムービー』
オートバイは確かにカーラジオも無くて、バックもしないですよね。
この感じは器用ではない「自分」のことを指している感じもします。
また、人生論とも取れます。人生の中で受動的に彩りを加えてくれるようなこともなく、気をつけなければ単調なものになってしまいがちです。
だからこそ、自ら発する「高らかな歌」を歌ったりして彩っていく必要があ流のかも知れませんね。
また、そして、私たちはバック、つまり、過去には戻ることが出来ませんよね。
一方で、そういった自分にも確かな「君」という存在を、温もりという触感で感じることが出来る。
今は抱きしめている様子なのは「君」の方かも知れませんが、その「君」に対する思いは主人公が「君」を抱きしめているということなんだと思います。
フィジカルな空間からと、メンタルの空間とで結果的に抱き合っているという美しさなのかな?とも思っています。
泣きながら君が見てた夢は 何を暗示しているの?
カラスが飛び交う空に モノクロの輝く虹
誰も笑っていやしない動物園
作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲 Kazutoshi Sakurai
『Q』より『ロードムービー』
カラスは神の使いとも言われていますが、一般的に不吉な存在の象徴。それがモノクロという単調な色彩で輝く、虹という希望の象徴。
動物園という皆が明るく楽しげな場所にも拘らず、誰も笑っていない。
これは先述の2人が抱える「問題」から生まれるもので、一部では希望を残しつつも、悲しみがさらに降りかかるという暗示なのかも知れません。
汗ばむ季節 君がふと見せてくれた情熱
ファミレスの裏の野良犬が見てたキス
スカートの裾を濡らしはしゃいでた あのビーチハウス
そんなシーンを道連れにして
作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲 Kazutoshi Sakurai
『Q』より『ロードムービー』
先ほどの悲しみを纏った暗示も確かに存在しつつも、確かな美しい思い出も存在している。それを引き連れて2人はオートバイに乗り進んでいく。
(個人的にはなかなか野良犬見ないですけど、「ファミレスの裏の野良犬が見てたキス」って表現の発想力が凄すぎるなぁと、人目を忍んでいるものの、第三者的視点を入れる表現が…)
街灯が2秒後の未来を照らし オートバイが走る
等間隔で置かれた 闇を越える快楽に
また少しスピードを上げて
もう1つ次の未来へ
作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲 Kazutoshi Sakurai
『Q』より『ロードムービー』
ここが桜井さんが一番好きという歌詞の部分ですね。
詳しくは下のリンクにあるラジオをぜひ聞いて、桜井さんから直接説明を聞いてもらいたいです。
多分、全てを語られたわけではないと思いますし、桜井さんが語られなかった部分を考えたいとは思いますが…。
「街灯が2秒後の未来を照らし」って本当に美しい表現ですよね。
運転している時もこの表現を思い出した、少し楽しくなるくらいに。
等間隔な明かりを一つずつ超えていくことしか私たちには出来ない。
大きな目標を持っていても、避けがたい「問題」を抱えていても、眼前の一つ一つをしっかりと向き合って、超えていくということに小さな喜びを感じることしか。
そして、次の未来、次の未来へと進んでいき、「月明かりが誘う場所」に向かっていく。
そんな内容の曲だと思います。
美しさの中に奥深さがありますよね。
先ほど言及したラジオです。まだ聞かれていない方は是非どうぞ!!
七分ごろから桜井さん登場です。『ロードムービー』については24分ごろです。
最初に私がこの曲からイメージする伝説のアーティストの超名曲とは何かわかったでしょうか?
そう、尾崎豊さんの『I LOVE YOU』です。
この曲の世界観も非常に美しい世界観を描いていますが、「若すぎる2人の愛には 触れられぬ秘密がある」などの表現があり、2人だけの世界観などのイメージがどうしてもリンクしてしまうのです。
まぁ個人の感想の範疇の域はでないかも知れませんが、少しこの超名曲も改めて聞いてみるのもいいかも知れませんね。
Mr.Childrenの隠れた名曲『ロードムービー』が桜井さんも評価されている!!と感じられるようになればいいですよね。
多分ファンの間では人気の曲なのですが、世間的な認知度とかですかね。
『ロードムービー』は問題を抱えつつも、懸命に生きるカップルの歌や人生論の歌やオートバイの歌と見方によって、虹のようにその輝きを変える美しい歌だなぁと再確認できました。
まぁ、私たちはオートバイに乗って、生きて行かなければいけないですよね、「2秒後の未来」へと着実に。
【参考】
この投稿のキャッチアップ画像は「エンジンオフィシャルストア 『Q』」(http://store.enjing.jp/sp/syousai.asp?item=TFCC-88166)から引用しております。
コメント
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