【書評】『実験思考』　／光本勇介

この本すごいですよ！！

まず、何よりも値段ですよ。

書籍版だと税抜き３９０円で、Kindle版だと０円ですよ！！！

（書籍の値段は印刷等の経費のようです）

この値段だと慈善事業ですよね。

ただそういう訳ではなく、この本の価格は自分で設定でき、その金額に応じてリターンが受けられるというところです。

非常に面白い試みですよね。こういった出版物って大体価格って予想が付くじゃないですか？

「この本なら１０００円くらい、こういう専門書は３０００円くらいかな？」なんて。

それを自分で設定することによって、実質タダのこともあるかと思いますが、評価してくれる方からは多額のお金をいただけたり、こういった試みによっての宣伝効果であったり、とメリットは多いと思います。

私は個人的に想起したのは、書店等でたまに、タレントの写真集などを発売したキャンペーンで、何冊か買うと、チェキだとか、サイン本だとかをくれるイベントですね。ちょっと違いますが、何となくこれを連想しました。

ただ、『実験思考』はヴァーチャル空間でお金を振り込む部分が大きく異なります。それが結果的に金額によっては現実空間での経験にもなるのですが…

一応、金額によってどんな特典を受けられるかを見てみましょう。

• １５００円… 「Thank you」欄に名前を記載　（以下＊以外全てに付属）
• ３０００円… 限定インスタをフォロー許可　（以下＊以外全てに付属）
• ５０００円… 光本さんと編集者箕輪さんの対談URLを送付　（以下＊以外全てに付属）
• １００００円… 1年間、毎月事業アイデアを送付　（以下＊以外全てに付属）
• ５００００円… 月に一度GoProを付けた光本さんの日常の朝から晩までを配信
• １０００００円…１時間の打ち合わせ権利を付与
• ３０００００円… ライン交換し、半年間は連絡保証
• ５０００００円…光本さん持ちでの夕食会
• １００００００円…講演会開催権付与
• ５００００００円　（＊）…韓国のカジノに一緒に行き、ギャンブル
• １０００００００円　（＊）…半分の５００万を基に一緒に起業

【参照】「価格自由　｜　「実験思考」」（https://jikken-shiko.com/QR/）

どうですか？お得なのか？まぁ、凄い選択肢がありますよね。

そして、どれだけお金が集まっているのか？

５月２１日現在ですが、こちら！！！

もう６０００万じゃないですか…

まぁ光本さんからすれば、大した額ではないのかもしれませんね。

半分は読者のために使うみたいですし。

さて、こういう実験している本の中身気になりますよね？

何だかこういう本の中身以外の部分に注目が集まりすぎて、中身に対してあまり焦点が当たりにくいことがありますが、内容も非常に面白いですよ！！

光本さんが一番社会に影響を与えたものというのは「CASH」ですよね。

嵐のようにムーブメントを起こして、一瞬で機能停止になったという伝説のアプリですよね。

何と１６時間で、３.６億円をばら撒いたそうです。

規模がすごい…

他にもなかなかない着想を実感します！

例えば、「お金は早く払うだけで喜ばれる」「性善説に基づいてサービスを行う」などの発想は凄いなぁと思いました。

こういった様々な革新的なアイデアの数々に通底しているのはこの本の題名にある「実験思考」です。

個人的に常々、思うのは勝ち負けに拘らない人が一番強いし、怖いということです。

それをまさに実践している人だなぁと感じさせる人です。

誰しもがリスクは怖いものだし、避けたいと思うもの。ただ、そういったリスクが多くて、誰も近寄らないような場所こそがある種、ブルーオーシャンであり、革新を生むのだなと感じます。

もちろん、そういった戦略には失敗もつきものですが、こういった失敗を経験などとして捉えられるかが非常に重要だと思います。

そして、光本さんはこういった戦略を取りつつ、どういった結果が待ち受けているかを客観的に楽しめるという強さがあると感じることができました。

これが「実験思考」なんだなと。

是非、この本を読んでみてください！

大したことがないと思われても大丈夫。

だって、あなたが値段を決められるのですから♪

まぁ、この実験のデータの一部にはなりますしね。

最後に、この実験の残念なところを少し…

値段における特典が豊富すぎて、純粋な本に対する価格への検証にはならずに、本がこれらの「カタログ」化してしまっていることですかね。

単純に面白い本なのに。

まぁ、そんなことは想定済みだと思いますし、どれくらいの結果になるのかは注視して行きたいですし、この実験をやってくださったことには感謝ですね。

この本の価格を決めるサイトへはこちらです！！

【参考】

このサイトの画像は「価格自由　｜　「実験思考」」（https://jikken-shiko.com/QR/）における画像を引用しております。