【書評】『100円のコーラを1000円で売る方法』/永井孝尚

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読書

この本のタイトル結構有名だと思います。

一目見れば忘れないようなインパクトのあるタイトルです。

シリーズで三作品出てますし、漫画版も含めれば何冊あるんだ?っていうくらいの人気シリーズです。

      

ただ、恥ずかしながら、最近読みました汗

  

昔、発売されていた頃は私はまだ中学生か高校生の頃だったと思いますので、「そんなん詐欺やん!!」とタイトルを見て思い、全くもって手に取ろうと思いませんでした。

   

でも、今ならわかります。非常に大切なことだと。

   

私たちがお金を投じるブランドという存在を考えてもそうだと思います。

   

服にしても、デザインはさほど変わらないのに、有名ブランドのものだと何十万とかするようなこともありますよね?

   

他には日本人が異常に好きなiPhoneをはじめとしたApple用品だって、スタイリッシュなイメージなどで買い求めている訳です。

別に私はこれを否定しようというのではありません。

  

そもそも、私がこの投稿を書いているのはMacBook Proですし、スマホはiPhoneです。(めちゃめちゃブランド志向じゃん…)

  

多分、このような価格戦略に対して、多少の不満はあっても、そこに何らかの価値を見出して、多くの人はお金を払っている訳で、ある種当然のものとして理解しているのだと思います。

  

安く提供できたとしても、その分利益は減ってしまう訳ですから、しっかりとした価格で売ることができるかどうかが非常に重要な訳です。

  

その価値を発見し、発掘することの一つがマーケティングなのだと思います。

   

この本はマーケティングの基本的な知識を学んだり、確認したりするには非常に効果的な本だと思います。

 

ただ、知識の羅列になるというものではなく、新人商品プランナーの成長物語というフィクションの中で語られていくので、スラスラと読めます。

  

この本は各章をRoundとして、記述しています。

 

  • Round1 アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?
  • Round2「お客さんの言いなりの商品」は売れない?
  • Round3顧客に要望に100%応えても0点
  • Round4値引きの作法
  • Round5キシリトールガムがヒットした理由
  • Round6スキンケア商品を売り込まないエステサロン
  • Round7商品を自社で売る必要はない
  • Round8100円のコーラを1000円で売る方法
  • Round9なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか
  • Round10新商品は必ず売れない?

永井孝尚(2011)『100円のコーラを1000円で売る方法』 5–6頁 引用

 

この各タイトルを見れば、興味を唆られるものが非常に多いと思います。

タイトルつけるの上手だなぁ…

 

中でも特に大事だなぁと感じたのが、Round1の「アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?」です。

  

ここで大事なのは市場思考です。

さて、皆さんが何のお仕事をしているのかはわかりませんが、本書に出てくる例から考え、あなたがもし化粧品会社に勤めているとして、その会社の事業は何でしょうか?

 

少し考えてみてください♪

 

                                                                                                                                                                    

                                                                                                                                                              

化粧品の製造販売?

 

 

残念ながら、この考え方は製品思考です。

 

 

「答え」としては「ライフスタイルと自己表現、そして夢を売ること」です。

 

 

この考え方の何が優れているかというと、前者の化粧品に囚われた考え方だと、いずれ何らかのイノベーションが起き、化粧という行為そのものがなくなってしまう際に壊滅的なダメージを負ってしまいます。

 

 

まぁ、ちょっとスカした考え方だなぁと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一度考えて見るのも有効ですよね。

 

 

例えば、料理人として、ただ、「美味しい料理を作ること」を業務として考えていたのであれば、その料理店のディナーの競合はデートの場所とするならば、プロスポーツ会場などの施設や東京ディズニーランドだったりのテーマパークなどを隠れた競合他社として認識することができませんよね?

 

こういった大きな存在に対して何ができるのか?という疑問はあるかもしれませんが、知っていれば、様々な対応の立て方があり、機会損失なども少なくなるはずです。

 

このようにマーケティングで重要な考え方がいくつも学べ、はっとさせられます。

 

 

このタイトルにもなっているRound8は、コーラという特殊性などあるので、何でもかんでも使える汎用的なものではないかも知れませんが、非常に大事な考え方だと思います。

もしかすると、有名な話なので知っている方もいらっしゃるかもしれませんが…(私も実は知っていました)

マーケティング思考を手に入れる第一歩になり得る一冊です。

近々続編についても書評を書いていきたいと思います。

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