【歌詞解釈】『HANABI』/『SUPERMARKETFANTASY』

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Mr.Children

言わずと知れたMr.Childrenの名曲の一つですね♪

  

若い人にMr.Childrenの代表曲は?って聞くと、一番にこの曲が返ってくるんじゃないかなと思います。

  

タイアップは大人気作である『コードブルー』シリーズ!!こちらの作品も非常に良く、曲とも絶妙な噛み合いがあるなぁと感じる作品ですので、まだご覧になっていない方がいれば、一度観ておいて損はないですよ〜

いつか言及したいなぁと思っています。

 

この『HANABI』については『REFRECTION TOUR』において、制作秘話を桜井さんがMCにてお話しになっていたことが記憶に新しいです。

『REFRECTION TOUR』のネタバレも含むので、ここを飛ばしていただいても結構です。(緑の「続き」までスクロールをお願いします)

 

  

  

  

 

桜井さんはペットである金魚のために寒い日の中で、水を変える際に、夜のうちに水槽に塩素抜きの薬を投入してかき混ぜておいて、暖かくなった翌日の朝の暖かい時間に変えるようにしていたそうです。

そういう風にしているとペットの金魚は次第に弱っていき、とうとう死んでいっていまいます。

そして、その状況を桜井さんはペットショップに店員さんに相談します。

そこで、店員さんから「水は絶えず動いて新鮮な新しい空気を取り込んでいかないと死んでいってしまう、腐っていってしまう」ということを聞きました。

ここで桜井さんは曲になりそうだと閃きます。

そして、これは人の心と同じだと思います。

人の心も、時には楽しいことであったり、悲しいことであったり、と絶えず心を揺れ動かしていくことで、澄んだ心になっていくのでは?

と考え、この『HANABI』を作曲します。

 

 

 

 

いやぁ、意外でしたね…

私がライブに行った時には「以上、金魚の歌でした」と仰っていた気もするんですけど、気のせいですかね?

 

 

 

「続き」

この『HANABI』は花火離日が掛詞になっていると言われています。

 

さて、この『HANABI』は全体としてどのような歌として捉えればいいのでしょうか?

別れてしまってもう逢えない恋人の歌?  それとも友人

別れは別れでも死別?  遠距離恋愛

私は長らく死別を意味しているのかなぁ?と考えていました。

でも、今はもしかしたら、死に行く愛しい人を思った歌なのかもなぁ?とも思っています。(私がこう考えるのは『君の膵臓をたべたい』の影響かも知れませんが…)

根拠としては花火であるのに、あの桜井さんがパッと輝く煌めいて散るという瞬間だけを捉えるというのは少し考え辛いのかなぁと思うからです。

 

花火は華やかにその焔が花開く前には「ヒュー」という音を立ててその瞬間を予感させます。

 

この「ヒュー」と音を轟かす時間が病が進行していき、いつ、その命の華が盛りを迎え、散ってしまうという瞬間が着実に歩み寄り永遠の別れ(=離日)の到来ことも表しているのではないかなと考えます。

 

ほら、モチーフになったあれともリンクする部分があるじゃないですか…(ネタバレ配慮

ただ、恐らく如何ようにも解釈できるような余白を残して作っていることが多いので、絶対だなんて思いませんし、結構無理があるなぁという部分もあります…

 

『himawari』の萌芽は(詳しくはシングル付属のDVDをご確認ください)『君の膵臓をたべたい』とのタイアップが決まる前でしたし、桜井さんの中でこのテーマは内在していたものだとも考えることそれほどありえない訳ではないのかな?と思っていたりします。

 

すべての『HANABI』の解釈を見た訳ではありませんが、この解釈はあまり見ないと思いますし、(たたき台にもなるので)今回はこの方向性でも解釈してみたいと思います。

 

 

『HANABI』 作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

どれくらいの値打ちがあるだろう? 僕が今生きているこの世界に

すべてが無意味だって思える ちょっと疲れてんのかなぁ

手に入れたものと引き換えにして 切り捨てたいくつもの輝き

いちいち憂いていれるほど 平和な世の中じゃないし

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
SUPERMARKETFANTASY』より『HANABI』

自分が今生きている世界に対してこういった疑問を想起すること皆さんはありますか?

私は非常に共感できます。

 

この感覚は『Simple』でも類似のことが歌詞の中にあり、非常にわかる!という人とわからない人との差異がある部分かと思います。

 

めちゃくちゃ落ち込んでいる訳でもなく、ぼやっと浮かんでくるものですよね。自分に対するある種の諦念というか…

今自分がいる場所は何かを選択してきた結果なわけで、逆を言えば、何かを選択しなかった訳ですよね。

 

その途中で、失ったものや壊してしまったものも数々あるかと思います。

 

悲しいかな、今の社会はそういったものに対して固執して、足を止めることは許されない社会だなぁと思います。

 

先程、病の路線から考えると、多くの人は病に対して無力ですよね…

 

少しずつ病に侵されていく「君」に対して「僕」の存在は本当に意味があるのか?

その中で数少ない手に入れたものの一方で、犠牲にしてしまったものもある…

例えば、「君」が「僕」と過ごした時間は、もしかすると、「君」にとって、もっとより良い、輝かしいことに使えたのかも知れませんよね。

 

一体どんな理想を描いたらいい? どんな希望を抱き進んだらいい?

答えようもないその問いかけは 日常に葬られてく

君がいたらなんていうかなぁ 「暗い」と茶化して笑うのかなぁ

その柔らかな笑顔に触れて 僕の憂鬱が吹き飛んだらいいのに

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKETFANTASY』より『HANABI』

 

自分に対する無力感や社会に対する無常観に蝕まれている訳ですから、「理想」とか「希望」といった「美辞麗句」も意味を無くしてしまっている。このあたりに『HANABI』の「僕」の暗い性格、考えすぎてしまうような性格が表れています。

そういった思いも日常に忙殺されていくのでしょう。

 

 

ただ、一方で、「君」は明るく、朗らかで、そんな陰鬱な悩みなんて笑い飛ばしてしまうような性格。

気になるのが、「君がいたら」、「吹き飛んだら」の仮定表現や「笑うのかなぁ」の推量表現です。

 

こういった思いの場には「君」はいない、もしくは、「君」には見せられないのかもしれません。自分の「理想」や「希望」が返って誰かを傷つけてしまうこともありますよね。

 

決して捕まえることの出来ない 花火のような光だとしたって

もう一回 もう一回 

もう一回 もう一回

僕はこの手を伸ばしたい

誰も皆 悲しみを抱いてる だけど素敵な明日を願っている

臆病風に吹かれて 波風がたった世界を

どれだけ愛することができるだろう?

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKETFANTASY』より『HANABI』

花火のように美しくて、永遠のものではない「君」や刹那の瞬間の幸せ。

 

その存在に対して、難しく、不可能なことは知りつつも、手に入れようとしてしまう。

 

大きな悲しみ、小さな悲しみ、その大小はあるけれど、誰しもが悲しみを抱えている。

 

その一方で、これも程度の差はあれど、誰しも明日に対して、少しでも良い日になることを望んでいる。

 

 

後半の部分はどうでしょう?

 

リスクを恐れて、些細なことでいざこざが生じてしまう社会への批判でしょうか?

 

それとも病の「君」を傷つけること、そして、自分が傷つくことを恐れる「僕」や周りの人間のその微妙なすれ違いや衝突を表しているのでしょうか。

 

考えすぎで言葉に詰まる 自分の不器用さが嫌い

でも妙に器用に立ち振舞う自分は それ以上に嫌い

笑っていても 泣いて過ごしても平等に時は流れる

未来が僕らを呼んでる その声は今 君にも聞こえていますか?

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKETFANTASY』より『HANABI』

誰かを傷つけまいとしたり、自らをよく見せようとしたり、人間は考えてしまうもの。

 

ただ、それがうまくいかなくて、誤ちを犯してしまえば、自分を責めてしまう。

 

 

反対に、皆が求めているような体のいい振る舞いなどばかりだと自分を押し殺しているようで、それももっと好きになれない。

 

非常に微妙な感覚ですが、理解できる人も多いと思います。 

 

人間の難しさをうまく表現しているなぁと感じます。

 

病に侵されている「君」に対して、気遣って言葉を選ぼうとしても、なかなか上手く言葉が出てこない、かと思えば、綺麗に自分を偽り、「嘘」をついてしまったりする。

そんな自己嫌悪も表しているのかもしれません。

 

平等という言葉は桜井さんは非常に注意を払って使っている印象があります。(例えば、『もっと』)

 

平等は大切なことですが、時に残酷なものですよね…

 

「君」は笑っているのでしょうか、泣いているのでしょうか。

 

一番からみる性格は辛い状況でも「笑って」過ごしていそうですよね。

 

そうやって過ごして、「未来」へ向かって「僕ら」は歩んでいきます。

その「未来」がどんな未来であっても、その未来が閉ざされるものだとしても。

 

 

さよならが迎えに来ることを 最初からわかっていたとしたって

もう一回 もう一回

もう一回 もう一回

何度でも君に逢いたい めぐり逢えたことでこんなに

世界が美しく見えるなんて

想像さえもしていない 単純だって笑うかい?

君に心からありがとうを言うよ

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKETFANTASY』より『HANABI』

「出会いが数だけ別れは増える」と『くるみ』の中で言いました。

そう、出会いがあれば、間違いなく別れはやってくる。

そのタイミングはいつかは分かりませんが…

その瞬間まで一度でも多く「君」に逢いたい。

陰鬱で暗い性格の「僕」に世界の美しさを教えてくれた「君」だから。

それに対する感謝は尽きないんでしょうね…

 

ここでも「君」は笑っているんですね。

「君」の強さを感じますね。

滞らないように 揺れて流れて

透き通ってく水のような 心であれたら

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKETFANTASY』より『HANABI』

ここは『REFRECTION TOUR』でのお話とリンクしますね。

 

悲しいことや楽しいことを繰り返し、取り込んで、少しずつ心がより良く澄んでいく。

 

そうすることで、いつかは自分に対する無力感諦念不器用さや器用に立ち振舞うという気取りも無くなっていくことを願っているのかもしれませんね。

 

そうなれば、「僕」が「君」にしてあげられることも増えるかもしれないとも。

 

 

逢いたくなったときの分まで 寂しくなったときの分まで

もう一回 もう一回

もう一回 もう一回

君を強く焼き付けたい 誰も皆 問題を抱えている

だけど素敵な明日を願っている 臆病風に吹かれて

波風がたった世界を どれだけ愛することができるだろう?

もう一回 もう一回

もう一回 もう一回

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『SUPERMARKETFANTASY』より『HANABI』

いつかはやってくる「離日」。それはもう打ち上がってしまった花火かのように、花開く瞬間が着実に近づいています。

 

その瞬間がいつかは訪れるのだとしても、少しでも「君」を焼き付けたい。

誰しもが大なり小なり問題を抱えていても、明日はより良い一日であること願っている。

僕」はその明日が「離日」にならないことをも。

 

そうやって、また傷つけまい、傷付かまいとした微妙なすれ違いなどの苦しみをも纏った日々ですらせめてもう少しでも続くことを願っている…

そんな歌かなぁと解釈しました!!

正直、暴論だなぁと自分でも思う部分はあるのですが、まぁとりあえずね…

何となく、もう別れてしまったというのは二番サビ以降の内容から少し矛盾もあるのかな?と感じたのでこういった解釈にしましたが、「違う!!こうだよ!!!」とかあれば是非コメント欄に書いていただけると嬉しいです。

そして最後にこれが『REFRECTION TOUR』での『HANABI』です。

震えますねぇ…

この前に作曲秘話を話されていますから、強い想いのようなものも心なしか、感じます。

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日常の中に彩りを

コメント

  1. […] 【歌詞解釈】『HANABI』/『SUPERMARKETFANTASY』 […]

  2. […] 『HANABI』『Sign』 […]

  3. […] 素敵ですよね。このタイトルの掛言葉は『HANABI』にも通じる部分ですよね。 […]

  4. […] OPENING02 SINGLES03 Monster04 himawari05 幻聴06 HANABI07 NOT FOUND08 忘れ得ぬ人09 花 -Mémento-Mori-10 addiction11 Dance Dance Dance12 ハル13 and […]

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