【書評】『グーグルが消える日』/ジョージ・ギルダー

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GAFAという言葉去年ごろからよく耳にするようにもなりましたよね?

 

『GAFA』も結構売れ、私も読んだのですが、確かに私たちの生活はGoogleにありとあらゆる情報を提供され、Amazonに高速商品配送サービスにより、様々な製品が身近なものとなり、Facebookによって、交友関係を構築、把握され、Appleによって、生活様式は変化させられる。

 

いずれ『GAFA』も書かないと汗

 

これらの企業の商品は確実に私たちの生活の選択肢を広げたことでしょう。

 

これらがない生活、考えられますか?

 

ついでに日本においてFacebookは今やそこまで絶対的SNSではないかな?と思います。

 

今の時代はやっぱインスタでしょ?

 

という方、インスタはFacebookの傘下ですよ。

 

インスタ映え❤️」とか言っているのもFacebookの掌の上…ってことですね。

 

そう考えると、日本においても、ここまで全方位的に私たちを包囲しているGAFAですが、流石に問題ですよね?

 

アプリなどの収益は3割もAppleに持っていかれてしまいますし、Amazonでの出品する費用などの問題などもなかなかと聞きます。

 

そもそも、Facebookが所有する我々の情報は非常に多く、深いもので、個々人の趣味思考なども詳らかに把握されています。Googleはサーチエンジンを操作出来る可能性もある訳ですし…

 

なかなかの「植民地」的状態です。何とかしないとね…

 

ただ、今回のテーマはGAFA全体の話ではありません。

 

タイトルにあるように、 Googleに関してです。この本のタイトル、『グーグルが消える日』ですからね。

 

正直、検索エンジンの絶対王者感のあるGoogleが消える日が来るとは想像し難いのですが、気になったので読んでみました。 

 

簡潔に言ってしまうと、近年圧倒的な世界的な「ブーム」となっている、仮想通貨を構成する根本技術、ブロックチェーンに基づく技術が Googleを超克するという内容です。

 

正直、私みたいな一般人にはなかなか感じ得なかったのですが、Googleには大きな問題があるそうです。

 

「セキュリティーの脆弱性」
「人を集めて広告を見せるビジネス」
「無料へのこだわり」
「顧客データの縦割り」
「人工知能のビジョン」

ジョージ・ギルダー(2019)『グーグルが消える日』70頁 引用

が挙げられています。

 

驚きなのはセキュリティーの脆弱性についてですかね?これまで幸運なのか、Googleのセキュリティーが脆弱だというイメージは抱いていなかったので…

 

そして、Googleのビジネスモデルそのものを否定しています。

 

つまりは、他の企業から広告費を取得し、無料で検索エンジンを使わせた顧客に対して広告を見せるという。

 

 Googleの広告というのは、今現在も表示されているのかな?と思いますが、今まで検索エンジンを利用してきて、あなたが興味を持ったであろう内容に近いものが表示されているはずです。

 

これはおそらくは顧客にとっても、広告主にとっても、メリットが大きいことかと思います。

 

顧客は興味がある広告であれば、比較的に意味のある情報を取得できますし、購買行動にも移りやすいはずです。また、一方で、広告主は購買行動につながる可能性の高い顧客に対して、広告を集中的に投下できることは費用対効果の面でも意味のあることだと思います。

 

ただ、本書で指摘される「グーグル後の世界」ではこの構造がそのままひっくり返ると。

 

グーグルはトップダウンだが、「グーグル後の世界」はボトムアップになるだろう。グーグルは何層にも重なる不安感によって支配され、その穴だらけの状況がカネと権力をトップに集中させている。
一方、「グーグル後の世界」は、個人に安全な基盤があり、デジタル台帳に登録され、日時も記録されるので、そうした階層構造による権力の集中を防げるだろう。
現在、グーグルがあなたの情報を管理し、無料で活用しているが、「グーグル後の世界」では自分の情報を自分で管理し、その価格を自由に決められるようになる。

ジョージ・ギルダー(2019)『グーグルが消える日』75頁 引用

と言うのだ。

 

さらに、情報が有料になることで、今以上に自分にとって必要な情報を入手することが容易になると言うことも指摘されています。

 

ただ、この本の言っていることが現時点で正しい未来予想図かどうかは無知な私には到底見当もつかない。一つの可能性を把握できていることが重要なのだと思います。

 

ただ、一方でこの本の存在は、マルクス主義に関する指摘を思い出さずにはいられない私がいます。

 

マルクスの『資本論』に記述された指摘はその時は「正しかった」としても、資本主義者は字が読めたがために、対策を考え、予防し、その「正しかった」指摘は「正しく」ないものになってしまったと言う指摘です。

 

これも齧った程度しか経済学を収めていない私には分かり得ませんが、Googleもかつての資本主義者と同じ行動を取るのではないかな?と思います。

 

結果として、Googleという企業がより良い企業へと昇華していく契機にもなり得る一冊だと感じました。

 

ただ、ブロックチェーンはこれからの時代、様々なものにも用いられるだろうし、そのことへの理解を深化させるという点でも、読んでおいて損はない一冊だと思います。

 

仮想通貨についての理解も、そして、グーグルへの理解も深くなると思いますし、グーグルは少なくとも今は強力なプラットフォーマーであることは確かですので、一読をオススメします♪

 

 

 

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