この本を読めばわかること・身につくこと
・ランチェスター戦略という重要戦略をわかりやすく学ぶことができる
・弱者が強者に勝つための戦略を学べる
・バイブルとも形容されるような重要なマインドセットを養成することができる
ランチェスター戦略をご存知ですか?
この戦略は弱者が強者に逆転勝利を収めるために、極めて有用な戦略だと思います。
経営学などで非常に有名な理論でもありますよね。
落ち着いて考えれば、「まぁ確かに」となるようなことをコンパクトに言語化していることで一般化された理論へと昇華されているわけです。
お詳しい方には釈迦に説法だと思いますが、少しランチェスター戦略について、説明を加えてみたいと思います。
そもそもランチェスター戦略は戦争の中で生まれたものです。(正確には、戦争における法則をまとめたものはランチェスターの法則で、それを経営に応用したのがランチェスター戦略です)
あなたがもし、弱小国で、強国と戦争を行うことになったとして、どのように戦いますか?
真っ向勝負をすれば勝ち目はないですよね?
弱小国が戦争における最終的な勝利を勝ち取るためにどうすれば、良いでしょうか。
どのようにひとつひとつの戦いを戦えば良いでしょう?
その前に戦力について、定めましょう。
戦力とはどのように決定するか?
それは兵士の数と武器の性能で決定されると思います。
兵士の数がいくら多くても、武器が原始的なものしかなければ、なかなか勝てないと思います。(ちょうど、歴史でいうアヘン戦争や薩英戦争みたいな)
一方で、動かしがたいのは兵士の数でもあると思います。
兵士の数は急には増えないですよね。
戦力=兵士×武器の性能
ということになります。
このような図式で表される戦闘は古典的戦闘です(以下、第一法則と呼びます)
一方で、近代的な戦闘も存在します。
例えば、凄まじい威力の近代兵器だとか敵が見えないくらいの広域的な戦争であったりです。
その際は
戦力=武器の性能×兵士の数の二乗
という計算式で決定されます。(以下第二法則と呼びます)
第一法則が適用される戦いでは、弱小国は人数に劣ることが多いため、武器の性能を高めていくことが戦争における重要な戦略の一つであると考えられます。
そして、その戦い方ですが、このランチェスター戦略の中で、弱者が勝利するためには、基本戦略としては差別化戦略を取り、個別には「局地戦」「接近戦」「一騎討ち戦」「一点集中主義」「陽動戦」行うことが挙げられています。
このどれもは大国であったり、強国である強みを上手く発揮できないような戦い方であることは納得いただけるかと思います。
反対に、第二法則を生かした戦いでは、基本戦略として、ミート戦略を取り、個別戦略としては「広域戦」「遠隔戦」「確率戦」「総合主義」「誘導作戦」を取ることが重要になってきます。
つまり、極端なことを言えば、弱小国は第一法則が適用される戦いに挑むことで勝機が生まれ、強国は第二法則が適用される戦いに行うことで、その勝つ確率は安定します。
ここまでがランチェスターの法則のざっくりした説明です。
ここまで読んでいただければわかる方もいらっしゃるかも知れませんが、あなたが弱者なら、第一法則を、強者なら、第二法則を、適用できるようにビジネスを展開していくことがランチェスター戦略の根幹です。
では、ビジネスの分野にそれぞれの法則を応用していくとどうなるでしょうか。
まず、戦力について、兵士はその業務に従事する人数、武器の性能は商品などの性能と置き換えれそうです。
では、第一法則について。
- 「局地戦」…ビジネスや地域の限定
- 「接近戦」…顧客との密接な距離感(頻度や時間)
- 「一騎討ち戦」…競合他社が一社しかない市場・顧客に参入
- 「一点集中主義」…文字通り経営資源を一点集中
- 「陽動作戦」…競合他社を撹乱など
NPOランチェスター協会(2011)『図解で身につく!ランチェスター戦略』 60–61頁 参照
このようにして第一法則をビジネスの場において応用していくわけですね。
続いて第二法則を見ていきましょう♪
この法則に必要なのは人数、数の暴力でしたね。
基本戦略としてはミート戦略を取っていくわけですが、個別戦略ではどのように応用されるのでしょうか。
そもそも、ミート戦略とは相手の差別化戦略に対して、それを数でぶつけていくという戦略になります。
もう少し言えば、「質」の面で差別化した相手の商品を「模倣」し、同様の商品を大量に販売することによって、相手の差別化を無効化し、同質化していく戦略になります。
そう言われると、「あっ、これってあの企業も…」となりませんか?
身近なところにもランチェスター戦略は隠れている訳ですね。
では、個別戦略を見てみましょう。
- 「広域戦」…営業活動などを広域的に展開
- 「遠隔戦」…顧客が実際に商品に触れる前にCMなどを用いて印象づけ
- 「確率戦」…競合数の多い市場や併売率の高い顧客を対象化
- 「総合主義」…圧倒的な量での勝負、包括的に戦う
- 「誘導作戦」…先手を打ち、市場を有利に進める
NPOランチェスター協会(2011)『図解で身につく!ランチェスター戦略』 66–67頁 参照
見事なまでに第一法則に当てつけたかのような戦い方ですよね。
ですが、強者の戦い方としてはこれらのようなものとなります。
これがランチェスター戦略の基本的な内容です。
具体例などはこの『図解で身につく!ランチェスター戦略』でわかりやすく記述されていますから、そちらを参照いただければ、と思います。
図解で、と銘打っているだけあって、図で説明してくださっている部分が多く、わかりやすいですよ♪
値段は安いですけど、非常に有用な一冊だと思います。
そして、このランチェスター戦略、意外と他のことにも応用できると思うんですよね。
私も数年前に一通り知ってはいましたが、ふとしたきっかけでまた目にすることになり、しっかり学んだ方がいいかも?と思い、この本を手に取りました。
ランチェスター戦略は経営学を修めた人にとっては常識なので、その解説本はめちゃめちゃあります。
どれがいいかなぁ?って悩んでしまうので、こういった安くて、小さい読みやすい本から学んでいくことのもいいかも知れませんね♪
何と言ってもランチェスター協会が作っていますし。
応用できたらいつか記事にまとめてみようかなぁなんて思っています!!
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