この本を読めばわかること・身につくこと
・正しく世界の実態、実情を知ることができる
・データの重要性を再確認することができる
・人間の「本能」による認識のエラーを理解することができる
めちゃくちゃ私事ですが、この投稿が50回目の投稿になります。
思ったよりも長かったなぁ…
さて、そんな50回目の投稿は全世界的にヒットを巻き起こし、かのビル・ゲイツも絶賛する『FACTFULNESS』を取り上げたいと思います。
この本は影響は凄まじく、おそらくですが、なんとなくの常識や主観だけで判断する人が減り、データを重視する人が増えたんじゃないかな?と思います。
様々なデータは見ていて面白いですし、もっとデータに親しむ人が増えれば良いなぁと思います。
私は統計学は齧った程度かそれ以下なので、それほどデータに強いというわけではないのですが、様々な機関が出すデータなどを見るのは好きです。
「へぇ〜、そうなんだぁ」というようなこともありますし、実生活における差異なども感じられますからね。
データに関しては教育は中心にはなりますが、『データで読む 教育の論点』がオススメですよ♪
『FACTFULNESS』の内容に入っていこうと思います。
この『FACTFULNESS』は世界の正しい認識を教えてくれます。
では、よく本屋さんでも一緒に並べられているクイズをいくつか見ていきましょう。
質問1
現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を終了するでしょう?
A 20% B 40% C60%
質問2
世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
A 低所得国 B 中所得国 C 高所得国
質問3世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A 約2倍になった B あまり変わっていない C 半分になった
質問4
世界の平均寿命はおよそ何歳でしょう?
A 50歳 B60歳 C 70歳
質問9
世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
A 20% B50% C 80%
ハンス・ロスリング(2019)『FUCTFULNESS』 9–11頁 参照
どうですか?
「ふっ、余裕♪」って感じでしょうか?
実際にはこれは『FACTFULNESS』の「イントロダクション」の章の中にある13問のクイズの一部を引用したものです。
全問正解に自信があるでしょうか?
では、そろそろ答えを発表したいと思います。
ドラムロールスタート!!
答えは…
質問1 C 、質問2 B、 質問3 C、 質問4 C、質問9 C でした!!
いやぁ、どうでしたか?合っていましたか?
全て合っていた人は少ないんじゃないでしょうか?
もし、あっている人がいるとすると、しっかりとデータや実態を基に考えられている人、もしくは、このクイズの意図を読んだ人(笑)だと思います。
この答えは我々が有していたり、普段語られる「常識」などとは結構な隔たりを感じると思います。
「日本に住んでる私たちだけ出来ないの?日本は国際感覚が欠如しているからだ!!」という訳でもなく、全世界的に低い正答率だったそうです。
その出来はチンパンジーを大きく下回る結果!!(つまりは、運任せで選んだ33%以下ということ)
例えば、質問3は正解率の世界平均は衝撃の7%!!!
質問9の正解率は世界平均13%!!
いかに私たちの知識が実態と大きくかけ離れているかが痛いほど感じられます。
多くの人は何十年も前のデータを基に思考していて、これでは世界の認識に問題を抱えてしまうことも頷けます。
「あの国は辛い状況だなぁ」というような永遠に変わらない誤解。
こういった誤解を生んでしまう背景には、私たちの本能が影響しているとカロリング氏は指摘しており、その本能とはどういうもので、私たちはその本能をどのように超えていくか?が『FACTFULNESS』の一番のテーマであると感じます。
私たちは気がつくと物事を単純化しがちです。
例えば、「ブラジル人は陽気だ」とか「アフリカ人は皆足が速い」など。
「あの国は〇〇っていう国民性だからね〜」だとかも普通に会話に登場します。
落ち着いて考えると、そんなに単純なはずはないのに…
そして、そこには変化の概念はあまり差し込まれない印象があります。
あるいは非常に感情に揺り動かされやすい存在でもあります。
もちろん、これは悪いことでもないと思いますが、一部のショッキングな映像などが論理を妨げてしまう事は往々にしてあると思います。(アフリカで子どもがお腹を空かせている映像などを見て、涙を流している自分に対しての警句でもありますが…)
『FACTFULNESS』が伝えたい事は「データを基に判断しよう」というだけではありません。
もう一つに「世界にはまだ悪い状態や状況は存在する。だが、よくはなってきている」というものです。
多くの場面でこれが当てはまるのだと思います。
何十年もの間、誰かがその問題に血を吐き、汗を流して尽力してきたのですから。
データを見ずに、数十年前の水準の認識だと、先人たちの努力が報われません。
「今」を生きる私たちはしっかり「今」と向き合って、様々な問題にピリオドを打てるようにしていかなければなりませんね。
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