この本を読めばわかること・身につくこと
・「こう生きなければならない」みたいな発想からの脱却が可能になる
・アイデアがなくとも、起業できるようになる
・会社で働く以外の選択肢を見出すことができる
なかなか世知辛い時代ですよね。
あまり世界のことは詳しくないので、ほぼほぼ日本=世界というような観点にはなってしましますが、この日本は失敗などを許されない社会だなぁというのを非常に感じます。
例えば、芸能人が浮気して関係のない一般人が怒っていることや無期限休業になった芸人をいつか、とツイートした関係のない芸人が「甘い」などと炎上する。
薬物などでのミスでも厳しいなぁと思います。
もちろん、これらは全て悪いことだと思いますが、結局関係者でなければ、大した意味も持たないはずです。
けど、実生活では自分の落ち度は棚にあげ、人それぞれが持っている「社会通念」とやらを基に怒りをぶつける。
誰でもミスはするし、失敗だってすると思うんですよね。犯罪だと言っても、裁くのは法であって、私たちではない。
被害者であればわかりますが、紛うことなき第三者が声を荒げる。
「それではよくないなぁ。」と思う今日この頃です。(そう行った人が少数でも声が大きいから「影響力」があるように見えるのかもしれませんが)
まぁ、何が言いたいかというと、そんな世知辛い時代の中ではあまり認められないような生き方というのもあって、それを実践している人もいるよ。ということです。
今回紹介させていただくのは、『しょぼい起業で生きていく』という本です。
えらいてんちょうという名前で活動されている方が筆者で、ご本人は「しょぼい起業」をしたり、ブログを書いたりして、ご活躍されているそうです。
まぁこのえらいてんちょうさん、宗教家?だったりと様々ある方なので、その人自体を深く知っているわけではありませんし、全てに関して支持しているという立場では私はないですが、こんな生き方もあるんだなぁと感じたので、少しお話させていただければと思います。
一般的に起業と聞けば、非常にハードルが高い印象を受けると思います。
「自分には関係ないよ」と考える方がほとんどだと思います。
でも、関係ないと断じるほど、起業はハードルの高いものなのでしょうか?
起業だけなら30万円ほどでできると言われていますし(続けるのが大変なわけですが)、選択肢のひとつとして知っていくおくことは結構大事なことかな?と思います。
『しょぼい起業で生きていく』の中で、えらいてんちょうさんの起業理由が衝撃的です。
大学在学中に「就職活動なんてやってられない」「そもそも毎朝、決まった時間に起きてスーツ着て満員電車乗って会社通うのが無理」という理由で、特に綿密に営業計画を立てたわけでもなく、きわめてあいまいに起業しました。
えらいてんちょう(2018)『しょぼい起業で生きていく』3頁 引用
めっちゃぽわっとしてますよね?
でも、本来はそんな理由で職業選択をしてもいいはずですよね。
会社勤めが苦痛な方とか、向いていない方とかいるはずにも関わらず、何となく社会のレールに乗って、大学や専門学校卒業後は就職をする。
ここに関して多くの人は疑問もなく、進んでいきます。
その中にはとんでもないようなブラック企業なんかもあったりするわけで、なかなか厳しい「ガチャ」を引いている訳です。
会社を辞めるということを選択肢の中に入れておかないと、そういったブラック企業を引いてしまうと文字通り心身ともに痩せ細っていってしまうことも少なくないと思います。
日本は「過労死」という問題が根強く存在しますから、こういった選択肢があってもいいんだよ、ということは広まっていくといいですよね。
人命に関わりますから。
「でも、起業なんて…」
そう頭によぎるものですが、このえらいてんちょうさんに起業は基本的に生活の延長線上に業務があるという視点が面白いです。
例として、晩御飯のおかずを作るとして、それを10人分作って、9人分を売ればそれがビジネスになるというような発想です。
一人前あたりの単価も、まとめ買いすると安くなりますし、手間も10倍になるわけではないですよね。
基本的にはこういったマインドセットで、自分にできることから仕事を作り出し、それを基に起業するというものです。
自分にできることや好きなことを仕事にするのであれば、それほど疲れないですし。楽しいですもんね。
また、基本的には職場で生活するということを行うらしく、実店舗の家賃と居住地の家賃を一括化することによって、不可分費用である居住地の家賃上で仕事を行えば、「ただ生活しているだけで」ちょっとでも仕事があれば利益になるという考え方です。
確かになぁ、と感じさせてくれるような着想でありつつ、他人の評価を気にしすぎな現代では非常に「新しい」視点だと思います。
えらいてんちょうさんは実店舗も必要性を説いており、それが信頼などにも繋がっていくと語っています。
会社で働くことはそれが得意な人もいるし、逆に苦手な人もいると思います。
一つの就労形態にすぎない会社員も、非常に多いため、その形がある種、絶対の形とすら認識されてしまっています。
自分が本当に苦手なこと、本当に辛いことは別に逃げてもいいのだと思います。
本来は「他人」の評価など関係なく、自分や自分に関係のある人を大切にして生活していくべきであると。
そのことを『しょぼい起業で生きていく』は教えてくれる一冊なのだと思います。
一度読んでみて、選択肢を広げてはみませんか?
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