この本を読めばわかること・身につくこと
・お金に対して理解度を高めることができる
・子どもに対して将来性を高める投資ができる
・子どもに対してお金の教育を行えるようになる
G20前は2000万円年金問題で揺れていましたが、少し落ち着いた印象ですね。
件の報告書(「高齢社会における資産形成・管理」)が気になる方、原文が読みたい方はこちらに貼っておきます。(直接金融庁のPDFに飛ぶと思います)
個人的には「月に5万円ずつ稼げば何とかなるレベルなんだ」と驚いたくらいで、その程度で済むんだという方のリアクションでした。(私たちが年金もらうくらいにはそんな程度では済まないんだろうなぁ)
政府の対応や野党の振る舞いなどに対して思うところがあったり、「年金を返せ!!」といつまでも抗議を重ねている人にも、「ちょっと違うんじゃない?」と言いたくなったりしますが、このタイミングで我々の資産運用、簡単に言えば2000万円をどう作り出すかという具体的な問題へと焦点化するにはいい機会だと思っています。(別に2000万円に絶対性もないのですが、具体的な数字があったほうがわかりやすいですもんね、それが故に問題になったとも言えますが…)
日本人は世界に類を見ないほどの貯金大国であると言われています。
政府は報告書を受け取らないという前代未聞のレベルの振る舞いをしましたが、金融庁の狙いとしては預金として眠っているお金を、投資という形で市場に上がらせることを目的にしていると言われていますし、上手くそこまで行けば、大成功っていう感じですね。
実際読んでみると、「寿命の長期化に伴って、出費も増えるよね〜それが夫婦月5万円足りないと2000万円くらいになるから、お金を作ってね。あっ、最近投資関連の制度を再設計したからオススメだよ!!みんなもやってみてね。」
なんて感じで、結局2000万円足りませんという報告書というよりむしろそれは問題意識でしかなく、この報告書の狙いは投資の喚起であることがわかります。
まぁ、何にせよ、退職して何十年も国に養ってもらえるほどは難しいでしょうし、何らかの対策を講じていたり、想定に入れていたりしなければならない時代が来ることは遥か昔から言われていましたしね。
まぁ、ともかくお金を作るために投資などしなければ、いけないフェーズにきているのは確かです。
日本人の現金信仰、預金信仰は高度経済成長期には企業の銀行からの借り入れの下地になったとも言われ、成長を後押ししてきたという事実はあるのですが、今や銀行に預けても、大した利息はつきませんよね。
また、日本人は表面には出しませんが非常にお金は好きですよね。(前面に出している人は少数なはず
一方で、「儲かりまっか?」と聞く関西人は下品だと言われます。(まぁ、ずっと大阪に住んでいる私もこの言葉はほとんど聞いたことはないのですが…)
お金の話をするのは下品だと考えているようで、子どもに対して、お金について教えるということはほとんどしません。
そもそもお金について教えられる人もそれほどいないでしょう。
お金について勉強するには以前投稿した(『お金の超基本』/坂本綾子・泉美智子)もオススメなのですが、たまたま本屋さんで発売日に見かけて「これは売れるだろうな」と思い購入し、そのまま積読になってしまっていたこの本を読んだのでこの投稿を書かせてきただきたいと思います。
それは『お金の教育がすべて』です。
お金 × 教育という新しい組み合わせ、そして、読みやすい本の構造。
かんき出版の本は毎回ハズレがないなぁなんて思っています。(いい本だなぁと思ったら、実はかんき出版だったってことが結構あります)
「お金って何だろう?」という小栗旬が語りかけてくるCMについての言及も以前の投稿に譲りますが、私たちは忌避しつつ、でも大好きな、シンプルでいて、謎に満ちたお金について考えることをしません。
『お金の教育がすべて』ではしっかりとお金に対して、一つのアンサーを提示してくれます。
今の時代は「当たり前」が「当たり前」ではなくなってきているじゃないですか?
いい学校に行き、いい企業に入ってみたいな構造が幸せである神話は崩壊しつつあるように思います。
かつてほど、いい大学に行くことの価値というものは揺らいでいっていると感じる人は少なくないはずです。
一方で、格差は広がっている。
最低限の生活を子どもが送れるようにと、教育に投資しても、方向性を間違えれば、その効果というものは出ないのかもしれません。
そこで大事なのはお金の教育です。
お金とは何なのでしょうか?
作者であるミアン・サミさんはこう答えます。
お金とは、「価値」を入れ込んだ器のようなものです。
イアン・サミ(2019)『お金の教育がすべて』52頁
そう考えれば、お金というものは忌避するようなものでも、下品なものでもなくなってきます。
このマインドシフトは子どもでなくとも非常に重要であると感じます。
簡易的に言えば、誰かにとっての価値を提供するための対価としてお金をもらうわけです。
もし、子どもがいらっしゃる方なら、自分が本心からそう思っていないことはどこか嘘っぽさが出てしまったりして、純粋な子どもには見抜かれてしまうこともあるので、しっかりと自身が理解することから始めたいです。
そして、働き方には4種類あると指摘します。
4種類何かわかりますか?
『お金の教育がすべて』で挙げられた4種類とは
会社から雇われている被雇用者、「E=employee(エンプロイー)」の人たち。(中略)「S=self-employed(セルフエンプロイド)」。(中略)「B=business owner(ビジネスオーナー)」。(中略)「I=investor(インベスター)」
イアン・サミ(2019)『お金の教育がすべて』59 頁 参照
つまりは普通の会社員、起業家や自営業、オーナー、投資家に分けられるわけです。
私たちは「普通」に生きていればEのタイプの発想に囚われてしまいます。
それは産業革命期に発展した教育を下地に育ってきているから。
教育のシステムは産業革命期の影響が非常に大きいため、変えていかなければならないと感じますが、良い労働者を作り出すシステムとしての側面が大いにあります。
そのシステムが100年以上一般化しているので、なかなか意識として抜け出せないのだと思います。
また、マラソンとか長い労働時間だとか、「辛い」ことや「頑張る」ことを目的化しやすく、美徳としがちである傾向もあるので、E型で止まり、他のI型などを嫌悪しがちなのかもしれません。
よくアニメなのではI型に分類されるキャラクターは悪役のゲス野郎だったりしますもんね。
いかにしてB型やI型になっていくかが重要です。
E型やS型が悪いというわけではないですが、お金を安定的に得るためにはどうしても、B型やI型である必要があります。
まぁ、絶対に一つだけ選べというわけではないので、様々な性質を有している人も多いわけですし、軽く投資から初めてみるのもいいですよね。
『お金の教育がすべて』の中でも、iDeCoやNISAを勧めていますが、件の報告書(「高齢社会における資産形成・管理」)もこれを勧めています。
少し勉強して初めてみることがI型への道のりへの第一歩ですね。
『お金の教育がすべて』はいいタイミングで発売したなぁと思います。
社会問題への理解を高めるためにもなりますし、是非読んで見てくださいね♪
コメント
[…] 何故今やるのかは先日の投稿(今こそお金について考え、そして我が子へ伝えよう!!/『お金の教育がすべて』)で、『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会におけ […]