美しき秋の描写。名曲『sign』の香り。あなたはこの切符を何色に解釈しますか?/『秋がくれた切符』

スポンサーリンク
Mr.Children

今年はがなかなか来ないなぁ〜。

 

なんて思ったら、気づいたら蝉の野外フェスで目覚めるくらい夏真っ盛りと言えるような季節になりました。

 

例年より「THE夏」が短い(多分)こともあって、ちょっと貴重で、惜しいなぁなんて思ったりもします。

 

まぁすぐに嫌になるんだと思いますが…

 

さて、気も早く、秋の歌です。

 

   くらいの強弱がある印象があり、気づいたら過ぎ去ってしまう秋。

 

近年は2週間くらいで秋は終わってしまう感じがあります。

 

その短さや秋のもつ美しさ、気候の良さが故に、人気の季節ではあります。

 

そんな秋の繊細な美しさが詰まった一曲になります。

 

 

『秋がくれた切符』作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

 

風の匂いもいつしか 秋のものになってた

カーディガン着た君の 背中見てそう思う

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『重力と呼吸』より『秋がくれた切符』

 

秋の匂い

 

代表的なものは金木犀

あとは銀杏

 

爽やかで、華やかな、温かな匂いのするイメージがありますよね。

 

秋の到来というのはいつもさりげないもの。

 

私は一応秋生まれですが、最近では夏生まれなのか?と思うくらい秋が来ている感覚というのは刹那的です。

 

でも、肌感覚はきっちりと衣替えをしない限り、やんわりと変わっていき、半袖やノースリーブだった服が2、3枚重ね着をしたりしている。

 

基本的な作中の位置関係は「君」が前を歩いて、後ろに「僕」がいるというものですね。

 

 

 

 

公園の緑は その葉落としはじめて

カバンの中に一枚そっと着地した

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『重力と呼吸』より『秋がくれた切符』

 

落葉というのは、計画的な木の切り離し作業なんですね。

 

それはまるでスペースシャトルかのようです。

 

最近そのメカニズムを知りました。

 

紅葉は緑→黄色→赤と変わるのには理由があり、黄色へは葉緑体を分解して引き上げたから起こることで、黄色はその残ったカロテノイドの色で、そのままだと有害な物質が分泌されるため、アントシアンでコーディングした際に赤く染まるそうです。

 

さて、うだうだと書き連ねましたが、この落ち葉は何色だと思いますか?

 

結構見てくださっている人がいる人気サイトであれば、アンケートなんか取ったりしたい(コメント欄に書いていただけると嬉しいです)のですが、そうではないので私見を書きます。

 

私のイメージは黄色なのです。

 

まず、公園の緑と書いているから緑じゃないか?

 

という意見も根強いと思います。 

 

それも正しいと思います。

 

ただ、この緑はそのまま緑色の葉を指すのではなく、植物のことを指しているのではないかな?という解釈です。

 

そして、落としはじめてという部分からまだ本格的に切り離し作業に入っていないことから、黄色じゃないかな?というイメージです。

 

そして、何と無くこの曲全体から黄色のイメージが連想されるというのも強いです。

 

「葉が落ちているんだから、赤だろ?」「公園の緑とあるから、緑一択!!」様々な解釈があると思います。

 

皆さんはいかがですか?

 

そして、「何色」かの葉が一枚、カバンの中に入り込んだ。

 

 

 

神様が僕らにくれた

何かの切符みたいだ

でも どこへ行けというんだろう

この葉眺めて思う

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『重力と呼吸』より『秋がくれた切符』

 

いわばカバンの中に一枚葉っぱが入り込んだだけ。

 

無粋な言い方をすればそれだけです。

 

 

でも、そんな些細な出来事をこんなにロマンチックに、美しいものとして、解釈できるほど、「僕」は幸せに感じているんですね。

 

これを切符と感じたのはどういう理由があるのでしょうか。

 

葉の形だけではないと思います。

 

今は歩いているのだから目的地はあるはず。

 

この部分は少し考えていきたいと思います。

 

茜色の夕日は 綺麗で切なくて

このまま時間が止まればいいのにな

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『重力と呼吸』より『秋がくれた切符』

 

時刻は夕刻。

 

この季節の夕暮れは非常に美しいイメージがありますよね。

 

そんなひと時の瞬間を大切に思う。

 

この『秋がくれた切符』は『sign』の続編というか、対になるような曲だと思います。

 

『sign』は春(〜初夏)のイメージがある曲ですが、個人的に想像上で歩いている道は私の中では同じ道を歩いています。

 

ただ、季節や時刻は違う。

 

そんなイメージがあるのですが、皆さんの中に賛同していくれる方はいるのでしょうか。(不安)

 

神様が僕らにくれた

何かの切符みたいだ

でもなんの褒美なんだろう

今日も喧嘩したのに

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『重力と呼吸』より『秋がくれた切符』

 

この切符はどういう意味を持つのか?

 

二人が順風満帆に来ていることへの「ご褒美」ということではないだろう。

 

でも、この「切符」は目の前にある。

 

神様が僕らにくれた

何かの切符みたいだ

君はまだ気づいてないんだな

その贈り物に

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『重力と呼吸』より『秋がくれた切符』

 

このささやかな出来事は今「僕」の中だけにある。

 

まぁ、後ろで歩いている人のカバンに入った葉を気づけるかというと難しいに決まっているんですがね…

 

 

風の匂いもいつしか 秋のものになってた

寒そうにしてる君に 駆け寄り手を繋ぐ

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『重力と呼吸』より『秋がくれた切符』

秋に季節も変わり、カーディガンを来ている「君」も寒そうにしている。

 

この「切符」は「君」との仲直りの「切符」だったということでしょうか。

 

それとも、より高次の関係性へと昇華する「切符」だったのでしょうか。

 

その答えは明確にされていない分、余地があるのですが、美しい描写でしたね。

 

前者のささやかな幸せの切符だとする柔らかな解釈が私は好きです。

 

以上が『秋がくれた切符』でした。

 

『重力と呼吸』の中で、桜井さん的には「女子ウケ」を狙った曲の路線だと思います。

 

『REFRECTION』だと『忘れ得ぬ人』(曲調などは全然違いますが)、『HOME』などでは『やわらかい風』の路線だと思います。

 

ソフトでロマンチックなMr.Childrenが好きな方にはたまらない一曲だと思います。

 

この一曲でドラマを撮れるんじゃないかというようなストーリー感がありますよね。

 

そして、しっかり解釈してみると、この切符の色は何色なのか?という部分はぜひ聞いてみたいところです。

 

そして、名曲『sign』との接合性。(私だけ?)

 

美しい世界観の中には様々な分岐もあり、上手い具合に余白もあり、多くの人に共感やイメージの想起が可能な一曲でした。

 

こんな秋が来ると良いなぁ…

皆さんにも私にも。

 

Mr.Children
スポンサーリンク
シェアする
mrsanをフォローする
日常の中に彩りを

コメント

  1. るな より:

    こんにちは。
    大好きな「秋がくれた切符」についての素敵な解釈で、楽しく読ませていただきました。
    ちなみに、私も葉のイメージは黄色でした!
    アウトロのところでは、夕日に映らされた銀杏並木から一枚の葉っぱがゆっくり落ちていく様子がありありと思い浮かびます(・∀・)
    カバンに落ちてくる葉っぱの形は、細長い形のイメージだけど、なぜか、最後は銀杏並木のイメージです(笑)

    • mrsan より:

      コメントありがとうございます。

      僕も柔らかな秋の雰囲気が何となく黄色のように感じます。

      切符という比喩がどこまでを指すのか、という部分にも考えないといけないかもしれませんね。

      オーソドックスな葉だと形状的に細長く、切符の印象を与えてくれますが、ここでの比喩が形状を含まないものだとすると、秋を代表する様々な葉が含まれますよね。

      るなさんは銀杏のイメージなんですね。僕は紅葉を想起しました。

      こういった含みも、桜井さんの意図したところなのかも、と感じました。

タイトルとURLをコピーしました