この本を読めばわかること・身につくこと
・身の回りの現象について学ぶことが出来る
・大人の自由研究として、科学的見識を高めることが出来る
・子どもの自由研究の着想やアイデア、科学的な知識欲を喚起することが出来る
世間は夏休み真っ只中。
午前中でも子ども連れの家族が多いなぁと感じる今日この頃です。
「小学生時代の夏休みは何をしていたかなぁ。」なんて想起したりする契機にもなり自分の年齢を感じるとともに、もしかすると、数年先に逆に子どもを連れる側になっているかも知れないことを考えると感慨深いものがあります。
さて、夏休みといえば、セットになってくるのが宿題。
宿題なんてなくて良いという真面目な議論もあります(私は大いに賛成ですが、前提としてその生徒のレベルというものはしっかりと考えておく必要がありますね)が、多くの日本の学校ではついて回るもの。
早めに夏休み始まってすぐにやるか、それともとりあえず夏休みを謳歌し、後のことは後で考えるというスタイルか、毎日自分で決めた量を着実にこなしていくのか。
このような派閥に分かれてしまうものです(私は色々試したタイプです)が、それ以上に内容として頭を悩ますものがありますよね。
そして、これは最近では保護者の代理戦争的性質を有していることさえあるというのです。(これは良くないと思うなぁ…)
もうお解りでしょうか?そう、自由研究です。
与えられた自由ほど、難しいものはありません。
これに苦戦をしたという思い出を想起した方もいらっしゃるかと思います。
私としては小3位に自由研究で何かよくわからない賞を貰った気がしますが、母親が無駄に張り切り、嬉々として用意したものを完成品もわからないまま、怒られ続け、泣きながら作った結晶が評価されただけで、全く嬉しくなかったという事実だとは覚えています。
現に何を作ったのか、一つも思い出せないのです。
ただ、苦しかったのと、「自由って何なんだ?」と尾崎豊さんのような思いを抱えたまま小学生時代でした。
まぁ、それは捻くれた人間になっちゃいますよね。(私のようにな)
そういうことは本当に教育として最低だと思いますし、ちゃんとやることが出来れば自由研究は本当に価値のあるものだと思います。
でも、そうは言ってもどうやったら良いのかなんて、親御さんもわからない。
そんな方にオススメしたいのがこの本なのです。
『Quiz Knock Lab』!!
正直この人たちあまり知りませんでした。
伊沢さんは東大王などで有名なのは知っていましたが、私は見ていませんでした。
この本の作者である須貝さんが「ナイスガイ!須貝です!!」と登場し、率直に「何言ってんだこいつ?」と思ってしまったことは内緒です。
「東大王とかって何で人気なんだろう?」ってずっと疑問だったんですよね。
確かに東大に入ったのは凄いと思いますけど、そこからの学問となれば全く別の話ですし、学部生などではやはり専門知識はまだまだだろうし、特定の分野ならば教授などの方が詳しいし…
そして、ルックスなどもやはりそれほど優れている訳じゃないと思うんですよね(失礼ですが…)
でも、ルックスを磨いて、死ぬ気で努力している方々もいる訳ですしね。
「現役東大生」というネームバリューが故と言い切ってしまうと何だか寂しいなぁなんて思っていました。
批判とかではなく、ただ、疑問だったんです。
「じゃあ、何でこの本を買ったの?」という疑問が湧いてくるかと思います。
理由としては、「売れそうだったから。」と「知っておく必要はあるなぁ」と思ったからの二つです。
前者の理由としてはよく行く本屋さんの熱量として、異常に高いものを感じました。
この熱量はまぁ空回りをすることもあるとは思いますが、結構当てになります。
本屋さんも商売ですから、売れると思ったものじゃないとプッシュしませんよね。
じゃないと赤字ですから。
後者の理由としては「東大王」の系譜について知っておく必要性と、身辺科学についてちゃんと知っておこうと最近勉強しているからですね。
前置きが長くなりましたが、この本の良いところは生きている上では全く支障のない知識だけど、身の回りにある疑問に真正面から仮説を構築し、実験して検証していることです。
ほら、思い出してください。
ふと思いついた疑問をお母さんに投げかけたことを。
「何で飛行機は空を飛べるの?」とか。
そんな疑問を投げかけて、「そんなことより宿題しぃ!!」なんて返される。
大人になった今ならわかります。
大人も万能じゃないんです。忙しいんです。
でも、わからないなりに今は簡単に調べることが出来ます。
そう、グーグル先生が私たちにはついているじゃないですか。
それが無理ならYouTubeなんてのもあります。
簡単に言うと、この『Quiz Knock Lab』のなかに書いてある実験のいくつかはYouTubeに挙げられています。
『Quiz Knock Lab』では非常に多くの実験が行われています。
映像媒体も良いですが、本としてのクオリティが高く、しっかりと仮説を立てながら読むことが出来るので、オススメです。
こういった本や動画への親和性を小さい内から高めておけば、良くありがちな科学嫌いも防げるのでは?と思います。
最初に親御さんが読んで、その中から疑問を投げかけ、それぞれのお子さんが実際に実験したりしてみたいと思ったものを実験して見るのも面白いかもしれません。
こういったことを何度かすれば、仮説→実験→分析の思考法も自然に身についていくと思います。
何故この彼らが評価されているかも少しわかりました。
行なっていたり、出てくる結果などは本来難しいものなのですが、それをわかりやすく説明する力が優れているということ、学者でもない、知識人というそれほど遠くない感覚。
これらが優れていて評価されているのだなと感じました。
読みやすく、わかりやすく、でも、難しいことを学べる本ですので、オススメです。
自由研究に活用するのも良し、知識を深めるために使うのも良しの良書です。
わからないものが増えていく中で、構造がわかる状態にしておくことは、より価値が高まって行く時代だと思います。
全てを知ることは出来ませんが、知ろうとする姿勢というのは何歳になっても、持っておきたいなぁと思わせてくれる一冊でした。
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