ふわっとしたタイトルですが、何だか心が暖かくなって泣けてくる一曲です。最後の展開には「天才」の一言に尽きます。/『あんまり覚えてないや』

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『HOME』の締めを務める曲なだけあって、非常にあったかい曲です。

 

まぁ、一番なんかは疑問も残る部分もあるかも知れませんが…

 

正直何で泣いてしまうのかは上手く説明出来ないけど、泣いてしまう曲だと思います。

 

聞いてもらう他ないです!!

 

でも、無理矢理に言語化するのであれば、人間とは忘却の生き物

 

忘れたいことを忘れられることもありますが、忘れたくないことさえも忘れてしまう。

 

「全部覚えていられれば良いのに!!」なんて思ってしまいがちですが、脳の機能で忘却できない人もいますが、それはそれで辛いそうです。

 

「忘れられる幸せもあるんだ。」と言われたって、どこか名残惜しいもの

 

でも、忘れていってしまうからこそ、覚えていたことのかけがえのなさに気がつく。

 

そういったことも気づかせてくれるような一曲です。

 

それでは解釈です。

 

『あんまり覚えてないや』 作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai

 

朝 目を覚ますと

焦茶色のフローリングに君の抜け殻が落ちていて

なのに覚えてないんだ 昨日の夜の出来事

あぁ なんてもったいな

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『HOME』より『あんまり覚えてないや』

 

昨晩、酔った流れでずっと好きだった「君」と関係を結んだんですね。 

 

ふと気がつくと、朝。

 

フローリングの上には彼女の着ていた服や下着が散乱している…

 

その様を着ていた服や下着をわざわざ抜け殻としているのは少しコミカルですね。

 

この『あんまり覚えてないや』は基本的な流れは「何で覚えてないの?」と思ってしまうような、少し間抜けな、でも共感出来てしまう雰囲気が通底しています。

 

このあたりにも表れていますね。

 

もったいないという思いに忘却に対する恨めしい感じや名残惜しい感じも出ています。

 

私はそんなに記憶を無くすほど飲めないし、飲んだことないのですが、せっかくの記憶を無くしてしまうのはもったいないと思います。

 

 

 

 

あんなに欲しがってた 君を丸ごと

この手は抱きしめてたはずなのに

あんまり覚えてないや あんまり覚えてないや

あんまり覚えてないや あんまり

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『HOME』より『あんまり覚えてないや』

  

ずっとずっと思い焦がれていた「君」の全てを手に入れたはず(抜け殻から出てきているわけですしね)なのに、それを全然覚えていない。

 

「何となくは覚えているんだけど…」

 

具体的なイメージは出てこない。

 

そんな感じは「あんまり覚えてないや」というセリフに詰め込まれています。

 

 

夕べギターを弾いて

ウトウトしかけた瞬間に奇跡のメロディーが降ってきて

なのに覚えてないんだ 昨日の夜の魔法を

あぁ なんてもったいない

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『HOME』より『あんまり覚えてないや』

 

うとうとしている時ってある種マインドフルな無心な状態なので、アイデアなんかも浮かんだりしますよね。

 

古くから三上と言われるように、枕上はアイデアが浮かぶ場所です。

 

『あんまり覚えてないや』の主人公はソファの上とかでしょうか。

 

でもそういう時に良いアイデアを浮かんでも眠いからそっちを優先してしまうんですよね。

 

「起きてから書けば良いやぁ」なんて思ったりして。

 

でも、起きたらどんなアイデアだったか、全く覚えていない。

 

何か大きな問題さえも根本的に解決出来そうなアイデアだったはずなのに…

 

まぁここまでは私の実話なのですが、『あんまり覚えてないや』の主人公も、そして、皆さんもこんな経験がおありなのではないかと思います。

 

さすがは良いとこを的確に突いてきますよね、桜井さん。

 

 

世界中を幸せにするようなメロディー

確かに口ずさんでたはずなのに

あんまり覚えてないや あんまり覚えてないや

あんまり覚えてないや あんまり

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『HOME』より『あんまり覚えてないや』

  

それが実際に「世界中を幸せにする」のかはともかくなかなか良いアイデアであったようなケースもありますよね。

 

忘却の彼方へ消えてしまっているので、誰も確かめることができませんが…

 

ここであえてあまり共感性の低いミュージシャンを挙げることによって、主人公を少し桜井さんのイメージに近づける作用があると思います。(狙っているよね?)

 

こうすることで、実話感も出ますし、桜井さんとの親近感も抱ける作用があるのではないかと思います。

 

実際に想起するイメージ像はまんま桜井さんという訳ではないケースもあるとは思いますけどね。(私はカラオケの画面に登場しそうな夢見がちな若いバンドマンのボーカルを想起するケースが多いですかね)

 

 

じいちゃんになったお父さん ばあちゃんになったお母さん

歩くスピードはトボトボと

だけど覚えてるんだ 若かった日の二人を

あぁ きっと忘れない

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『HOME』より『あんまり覚えてないや』

  

ここまでは正直、ありふれた、くだらない話とも形容できるかも知れません。

 

「実際に世界中を変えてしまう」ようなメロディーだったなら、この忘却は人類の損失ですが、実際のところはそんな大それたものではないことの方が多い。

 

そう考えると、大した話ではないとも言えます。

 

そこから急転直下、家族の話になります。

 

今は老いてしまって、かつてのような姿ではない。

 

けれども、若かった頃の姿、そして思い出は忘れられない。

 

ここまでいろんなことを「あんまり覚えてなかった」主人公が逆に覚えているということで覚えていることに価値が出てきます。

 

キャッチボールをしたり 海で泳いだり

アルバムにだって貼り付けてあるんだもの

ちゃんと覚えてるんだ ちゃんと覚えてるんだ

ちゃんと覚えてるんだ こんなに

ドライブに出かけたり お小遣いをくれたり

たまに口喧嘩したり すぐに仲直りしたり

ちゃんと覚えてるんだ ちゃんと覚えてるんだ

ちゃんと覚えてるんだ こんなに

世界中を幸せに出来はしなくたって

このメロディーをもう一度繰り返す

ラララ…

作詞 Kazutoshi Sakurai 作曲  Kazutoshi Sakurai
『HOME』より『あんまり覚えてないや』

こういった思い出は正直一つ一つは言ってしまえばどうでも良いことというか、それほど大きな意味を持つものではない。

 

だって、ずっと好きだった人と結ばれた瞬間や世界中を変えるようなメロディーを作り出した瞬間と比べると、大したことではない訳ですよ。

 

でも、ちゃんと覚えている。

 

ここに具体的に出てきたエピソードは全てとは言えなくても、共感できる部分がある人が多いと思います。

 

両親との思い出ではなくとも、長年連れ添った夫婦の方だったら、そのパートナーを想起したりするのかも知れません。

 

一つ一つはそれは大したことのないことかもしれないけど、自分の中には意味を持って存在している。

 

「それで良いんだ。」と教えてくれている気がします。

 

最後の「ラララ…」で締めくくるのも天才的だと思います。

 

このラララというようなメロディーは本当によくあるもので、世界中を変えるようなメロディーには程遠い。

 

でも、それが価値を持って存在しているということを感じられるメロディーでもあると思うのです。

 

以上が『あんまり覚えてないや』でした。

 

この曲の3番を書いている時に桜井さんは書きながら泣いてしまったそうです。

 

 

レコーディングの際にもJENさんとプロデューサーの小林さんも泣いてしまったというのは非常に有名なエピソードとして知られています。

 

桜井さん自身の1、2番で「あんまり覚えてないや」を重ねて、3番に「覚えている」という構成にしようと意図していたものとして作ったものではなかったそうなのですが、自然とそうなってしまったようです。

 

まさに歌詞を下ろしてくる感覚なのですかね。

 

常人には理解しがたい境地ですよね。

 

 

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日常の中に彩りを

コメント

  1. より:

    何が1番は疑問に残ってるだよ。不快

    • mrsan より:

      コメントありがとうございます。

      その部分はついてですが、不快にさせてしまったのなら、申し訳ありません。

      一番は簡潔に言えば、なし崩し的に泥酔して関係を結んだ場面(その後どうなったかはわからない)ですので、「at home」な暖かい雰囲気と形容には相応しくない可能性があるのかも、という趣旨で書かせていただきました。

      個人的には1番はもちろん、曲全体として大好きな曲ですし、昨晩もたまたまですが、この曲を聴いて眠りにつきました。

      ご理解賜れればと思います。

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